第170章 おじいちゃんが君のために勝ち取ってくれたんだよ

前日があまりにもきつくて、有岡里穂は気づかないうちにそのまま眠りに落ちていた。

次に目を覚ましたときには、もう午後だった。ぼんやりと瞼を開けた瞬間、目の前いっぱいに整った男の顔がある。

起き抜けにこんな顔面を拝めるなんて、目の保養にもほどがある。

里穂がじっと見つめていると、ぱちり、と相手の目が開いた。

阿部蓮太郎の瞳には笑みが宿っていて、声もやわらかい。

「おはよう」

里穂は瞬きを二度してから、勢いよくベッドの上に起き上がった。次の瞬間、顔がかっと熱くなる。

「おはようじゃない。もう午後だし」

それだけ投げ捨てるように言って、里穂は逃げるみたいに部屋を出た。

自室に戻って...

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